2016年10月26日水曜日

魔女の開運方位取り 黒部峡谷〜後編〜



思えば昼間、私は不思議な体験をしていた。


この山は、陰と陽のコントラストが強い。

生命力も強いが、死の匂いも強いのだ。







欅平から祖母谷温泉へ向かう途中、とあるトンネルを通るとき、死んで生まれ変わるというのはこういうことなのかもしれないなぁ、と思う体験をした。


言語化しにくいのだが、感じた事を思い出しながら書こうと思う。







あるトンネルに入って暫くするとあらゆる人の念や思いを受け取り、私は恐怖した。


色濃い死の匂いを感じたのだ。

ああ、ここに、ここに、ここそこに、いる。



この山には素晴らしいエネルギーだけではない、圧倒的な自然は人間の死をなんとも思わない、無慈悲さがある。そもそも自然に慈悲はない。あるがままだからだ。


人を拒絶する圧倒的な自然に立ち向かい、それでも分け入ったこの人たちに感謝した。



「光だけを受け取ろうとするのは、御都合主義すぎる。私は、闇を見ることを、闇を抱えることを厭わない。闇も存在する。それを受け入れずして自然を、人間を、世界を理解しようとすることはしない。あらゆる力の作用ががあってこそ、世界は巡る。闇の力で、光の力も強くなる。感謝が溢れる。私は、闇を死を拒絶しない。」



そう自分の中で反芻した。


すると眩い光が、トンネルに溢れた。

出口はまだ見えない。すぐ解放されたい気持ちになったが、走ったり、振り返ったりしてはいけない気がした。ゆっくり心を落ち着けて、しっかりこの感情を確認し、味わい尽くさなければならない。決して急いではいけないと思った。急げば、見なければならないものが、見えなくなると感じた。


まじまじと見つめないと、自分の弱さは克服できない。


きっとこの時間は大切な時間なんだと、必要なんだと、心の変化に注意を向けながら、でも決して外部の情報を遮断することなく、感覚は研ぎ澄ませたまま、心穏やかに一歩ずつ進むことを心がけた。


トンネルの色や温度はどんどん変わった。

あったかくなったり、急に暗くなったり、反響する音が強くなったり、それはわたしの心をわざと揺さぶるよう為のようにも思えたし、実際のところただの暗いトンネルで、何でもないような気もした。


先はまだまだ見えなかった。

心拍数が上がらないように、呼吸を整える。

心を揺さぶられないように、乱されないように、ゆっくりと、呼吸をする。




行きの時には感じなかった、背後の感覚があった。


でも、急いでは、いけない。




だだ感謝をした。

あらゆることを思い出した。

今、自分と向き合うことを強いられている。


今逃げ出したら、一生この事を乗り越えられなかった記憶が残ってしまう。


恐れとして、刻まれてしまう。


また、繰り返して、しまう。





 


トラウマは、カルマになる。








光が見えた。

今度は確実に、出口の光だった。


 





《《ああ、また、外に出るのか。》》







出口を見た時に、ふと、そう思った。

生まれ変わる時の気持ちは、こんな感じなのかもしれないと思った。




  


次の日、欅平まで北陸に住んでいる友人が迎えにきてくれた。トロッコ電車を上り(宇奈月温泉行きは上り)ながら話していると、友人が私の顔をマジマジと見つめている。


「どうした?」


「いや・・・、痩せた・・・?」


友人は慎重に言葉を選んでいるようだった。

私に最大限の気を使っているのがわかる。


「え?わかる??たしかに、昨日で1.4キロ謎に落ちたんだよね」


私は毎朝体重を測っているのだが、通常は、一日に痩せても0.2-0.4キロなので、1.4キロガクンと落ちたのは流石に自分でもびっくりしていた。


「やっぱり。一週間前に東京で見た時より全然痩せて見える。病的に見えるぐらい痩せこけてみえる」


「アンジェリーナ・ジョリーみたい?笑」


「たしかに、そんな感じのコケ方。でも、変なんだよね。病的に見えるかと思えば、綺麗に見えたり、なんか、神がかってるというか、生々しくない。角度とかじゃなくて、うーん、ちょっと、ダブって見えるっていうか、どっちにもみえる。人間ぽくない」


といった。


私は昨日の、一連の話をした。


私の中の闇も、また、私であることを受け入れて、一つになる感覚が強くなった話をした。


私の闇を見る。

私の光を見る。


昼と夜があるように、人間にはどちらの側面もあって然るべきだと思う。


闇を、恐怖を、弱さを、死を否定せず、その上で優しくあれたら、強くあれたら、と思う。


かと言って、死や恐怖にとらわれてもいけないと思う。


拒絶も、切望もしない。

全てあるがままを受け入れる心でありたい。





富山県黒部峡谷 欅平にて







つづく
《次回、方位取り二日目 石川県・白山比咩神社 福井県・東尋坊》



叶ここ【占い師】
スペイン人魔術師の祖父を持ち、小さな頃から魔術的世界に親しむ。占星術・タロット・魔術・パワーストーン・ハーブなどの神秘研究が趣味。
恋愛、婚活、転職、親族や会社の人間関係、引っ越し、等々、人生相談全般に対応。

人と地球と宇宙に優しい魔術、人生を生かす為の占い、開運の為の方位術、子育ての分野に力を入れている。

『PEACE COMBAT』で占いコーナーを連載中



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2016年10月21日金曜日

魔女の開運方位取り 黒部峡谷〜中編〜

前編はこちら




 黒部峡谷、名剣温泉に宿泊。

 







富山の山の幸、海の幸を堪能。

おもてなしも丁寧で、お料理も、大満足。




キノコや山菜や川魚に、繊細な仕事をしているのがわかる。海の魚もあるが、日本海で採れたものを毎日トロッコ電車で運んでいるそうだ。


この僻地でこのクオリティを保っていることに賞賛と感謝しかない。


特に山菜の天ぷらは、個人的に感動ものだった。

採れたての山菜は、スーパーにあるお野菜とは比べものにならないぐらい香り豊かで食感も力強い。





露天風呂は一度、旅館の外にでて向かう。




日が出てる間は、このような絶景が露天風呂から望める。






食後、露天風呂に入る。


すっかり夜になってしまって、景色は見えなくなってしまったが生い茂る木々、渓谷をながれる雄大な川の音が心地よい。


静かな時間だった。


長い間誰も来なかったので、露天風呂の岩場で瞑想をする。月は完全に隠れていたが、なんとなく位置が分かったのでエネルギーを感じながら瞑想をした。


満月とともに満ち溢れるイメージ。

森や滝の流れ、温泉のエネルギー、あらゆる繋がりの中に入り、自らのエネルギーを調和させる。


人の気配を感じたが、物音がしなかったので瞑想を続けた。


暫くして目を開けると、先ほどまで完全に隠れていた月が少しでていた。


薄雲の向こうにその形を捉えられるぐらい。



が、人もいた。


ふくよかで白くつるんとした女性が1人。

私を邪魔しないように、多分そっと入ってきて、そして、そっとしておいてくれたのだろう。


私は完全なる全裸で、岩の上で瞑想体勢。


あ、あ、あ。やってしまった。


完全に、変人。


「すいません、」と小さく漏らして、温泉に入る。




暫し、沈黙。




「気を送ってたんですか?」


「・・・えっ。」


「会話してましたよね」


ふくよかな女性はすんなりと声を発した。

柔らかくて、すっと入る声。

違和感はないが、あまりにも自然で、驚く。


「御月様と、木と」


「・・・すいません。共有の場で、」


「いえいえ。修行なさってたんですか?」


「はい。一応。」


「そうなんですね。今日一緒に来た友達は、ヨガとか全く興味がないから」


「そうなんですね」


「初めてみました。月にエネルギーを送ってる人。みんな満月のエネルギーをもらうようにしてますけど・・・。エネルギー送ってましたよね。」


「あ、そうですね。送ってるというのもありますし、もらってもいて、なんというか、私は、調和、しようとしていて、月やこの山々や自然と同じように充ち満ちるイメージなんです。だから、私が充ち満ちると、山々も、呼応してくれるのかな、と、思います。繋がるというか、」


「そういうやり方があるんですね」


「私は、そうですね。いろいろ、やり方あるとおもうんですけど、私にはこれが合ってて。」


「山が光ってるの、初めてみました。そんなこと、できるんですね」


「ああ。青白く光ってますね」


先程は真っ暗だった山々は、青白く光っているように見える。満月が薄雲の向こうに見えて、空が少し明るい。完全に姿を現してはいないが、ぼやっとひかり、丸い輪がかかっている。



「不思議な月」 



そう女性が呟いて、ぼやっと2人で月を眺めた。


「こういう満月も、初めてです。リングのかかった、環のついた月って、なかなかみないですね」


こういった類の自然現象は良く起こる。

私の勘違いかもしれないのであまり気にしていなかったが、知らないひとが言うので、客観的に見てもそうなんだなぁ、と、思う。


でも光らせたのは私の力ではない。

月や、山々が元々持つ、自然の力。現象だ。


「私、一時期、そういう力があったことがあったんです。」


ふくよかなで柔らかい肌が、月に照らされてなのか、湯けむりのせいか青白く柔らかく光って見える。つややかで優しい声も、なんとなく、儚い。


「そうなんですね。」


「病気で死にかけたことがあって、そこから戻ってから、急に」


「死にかけたんですか?」


「はい。病気で。その時、黄泉の国というか、キリストの世界を見たんです。とっても綺麗な家だと思って近づいたら、それは、全部、人で。笑顔で手招いてくれて、それで、そこからキリストが現れたんです。なんとなくなんですけど、キリストと呼ばれてる人なんだって分かって。あれ、あたし、ブッダの方じゃないの?って自分でも思ったんですけど。(笑)あれは、キリスト様でした。なんとなくなんですけど、分かるというか、」


「うんうん。わかります」


「その後から、占いとか、急に絵を描いたりするようになって、自分でもよくわからないんですけど、カードの意味や使い方がわかったんです。本も読んでないのに、全部分かって」


「ふんふん」


「(ハートチャクラに手をかざしながら)その時の自分は、自分からとめどなく金色の光が出てるのがわかるぐらい、本当に、不思議な感じでした。でも、なんだか怖くて」


「怖かったんですか?」


「何が起きてるのかわからなくて、なんとなく、怖くなっちゃって。元に戻りたいって感じでいたんで、閉じてしまったのかな。もう、今は普通なんです。絵も占いも、全く。」


「何にも感じなくなっちゃったんですか?」


「いまは、もう無いですね、あの感覚は。本当に溢れて止まらなかったんです」


「なるほど・・・当時は完全にそちらの世界と繋がってたんですね。でも、その力は消えたり無くなったりしたわけではないと思いますよ」



お互い初めましてとは思えない穏やかな雰囲気だった。違和感がない。お互いの考えていることが、お互いよくわかっていて、言葉はそれ以上もそれ以下も必要なかった。


必要以上に語らない。

必要以上に踏み込まない。


でも、たいせつな感覚は共有していたと思う。

だから、同調しても、興奮はしない。


穏やかな、同調だった。

過不足なく満たされていて、居心地がいい。  

居てもいいし、居なくてもいい。




月がとてつもなく光り始めた。

雲は濃い。 

しかし、月だけはクレーターが確認できるほど光っている。最初は完全に隠れて姿すら見えなかった月が、今は完全に確認できる。


昼間は夏日のような快晴だったが、夜の天気予報は雨だった。さらに言うと明日からは2日連続で一日中雨の予報。雨が降るのは確実だった。濃い雨雲が空を覆いながらも、月だけがそこから、眩い光を放ちながら姿を現しているのは、稚拙な表現だが、神秘的だった。


「我々がしつこく待ってるから、出て来てくれたみたいですねえ」


女性が、にこりとする。


「ですね」


「いつまでも眺めていられますよね」



暫く月を眺めて、2人で話し込んだ。

温泉には誰も入って来なかった。


話に夢中になって月を眺めるのをやめると、外は完全な闇になった。

月は厚い雲に隠れて、位置もわからない。

森の輪郭も全く見えない。完全な闇。




異様な暗さだった。





「こんな話、普通できないから、良かった。友達や家族に話したら精神病院に連れていかれてしまいます。私の周りには、あなたのような人はいないから、」


ふくよかで柔らかな女性は、少し悲しそうな顔して「あのとき怖がらなくても良かったのかな」と呟いた。






つづく


後編は明日12:00更新

(後編は祖母谷温泉の帰り道で体験した不思議な話)




魔女の開運方位取り 1日目〜前編〜

 
今回は一年半前からずっと計画をしていた方位取り。



東京より始発で黒部峡谷鉄道トロッコ電車の終点欅平にある、秘湯を目指す。




トロッコ電車は、元々は関西電力がダム建設のために使用していた作業用の電車で、建設終了後、観光用として利用されるようになったものだ。その為、幅は新幹線の半分ほどでかなり狭い。自然厳しい渓谷を通るため、早く工事を進められるように幅を狭めて作られたそうだ。


天気に恵まれトロッコ電車では絶景を堪能できた。

「日本三大渓谷」「日本の秘境百選」に選ばれるこの景色を堪能できるのも、目がくらむほど大勢の人々の努力と犠牲の恩恵である。

とても厳しい雪山を分入るというのは、想像を絶する苦労だったと聞くには容易いが、話を聞けば聞くほどその壮絶さに言葉を失ってしまう。

最先端の科学技術を駆使し、自然をコントロールするべく努力した跡が、自然の美しさの其処彼処に見て取れる。






終電の欅平につくと、駅から40-45分ほど歩くとある祖母谷温泉を目指した。














山を登り、トンネルを二つ潜ると祖母谷温泉が見えてくる。





橋の先に見える小さな山小屋が祖母谷温泉。
宿泊や、テント泊もできるそうだ。
女性露天風呂もなかなかのワイルド感だ。





祖母谷温泉の泉質はかなりいい。こってりぬるりとしていて、肌がすぐにツルッツルになる。明るい空も気持ちがいい。掘っ建て小屋のようなや野生感も、また、一興だ。

温泉につかりながら、自然のダイナミックさを直接感じるのはとても心地よい。



温泉を出て、源泉「祖母谷地獄」の近くの川で瞑想。

水と風、流れがぶつかり合う音を聞く。

地層深く、マグマのエネルギーを感じる。









北陸の山は男性的で力強い山が多い。

全体の印象は東北の山に少し似ているが、山陰地方の山に似ているところもある。山陰地方は苔生す山、水をたっぷり含んだ山で、木と水のエネルギーが強く、人間で言うとお肌ぷるぷるの女性という感じ。

北陸の山は、瑞々しく筋肉質な青年という感じだろうか。火と土のエネルギーが強く、やんちゃさも感じるし、一筋縄ではいかない印象だ。




日が落ちる前に猿飛峡へと下る。











こちらもなかなかの絶景。

美しい水の色に癒される。



私がいつもつけている水晶のネックレスを森林浴させて頂く。

植物の種をモチーフにしているので、自然と緑とは調和するようだ。


ゆっくり自然を味わいながら歩いていると、すっかり夕暮れ時。完全に日が落ちる前に、宿泊先の名剣温泉へと向かう。



つづく

(次回は、宿泊先の名剣温泉で出逢った女性との不思議なお話です)
 



叶ここ【占い師】
スペイン人魔術師の祖父を持ち、小さな頃から魔術的世界に親しむ。占星術・タロット・魔術・パワーストーン・ハーブなどの神秘研究が趣味。
恋愛、婚活、転職、親族や会社の人間関係、引っ越し、等々、人生相談全般に対応。

人と地球と宇宙に優しい魔術、人生を生かす為の占い、開運の為の方位術、子育ての分野に力を入れている。

『PEACE COMBAT』で占いコーナーを連載中



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